ツール一覧 / AI活用ノート / Gemini画像生成Nano Bananaの文字入れ・修正指示の型|料金と規約
Geminiの画像生成(Nano Banana)で文字入れと部分修正を安定させる指示の型を、公式ドキュメントの記述をもとに整理しました。モデル別の1枚あたり単価、可視透かしの扱い、納品物に使う前に確認すべき規約もまとめています。
バナーが上がってきて、クライアントから「日付だけ1日ずらして」と返ってきた。画像生成で作ったやつです。作り直したら、全体の構図が微妙に変わって戻せなくなった——このパターン、心当たりありませんか。
Geminiの画像生成(通称 Nano Banana)は文字入れが実用域に入ったと言われますが、詰まるのはたいてい「文字が出るか」ではなく「直したい1箇所だけを直せるか」のほうです。公式ドキュメントの記述をもとに、指示の型と、その前に決めておくモデル選びを整理しました。
この記事の結論
結論から3行。
gemini-3-pro-image)。1枚あたり約20円(1K/2K)。gemini-3.1-flash-image)。1枚あたり約10円(1K)。選ぶ基準を先に出します。順位を付ける前に基準を書かないと、ただの推しになるので。今回は次の4つで見ました。
| モデル | モデルID | 解像度 | 参照画像 | 1枚あたり(1K) |
|---|---|---|---|---|
| Nano Banana Pro | gemini-3-pro-image |
1K / 2K / 4K | オブジェクト6+人物5 | 約20円 |
| Nano Banana 2 | gemini-3.1-flash-image |
512px / 1K / 2K / 4K | オブジェクト10+人物4+スタイル3 | 約10円 |
| Nano Banana 2 Lite | gemini-3.1-flash-lite-image |
1K のみ | 合計14枚 | 約5円 |
| Nano Banana(旧) | gemini-2.5-flash-image |
— | — | 約6円 |
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※2026年9月9日時点の公表価格を1ドル150円で換算した概算です。為替と改定で変わります。旧モデルはLiteへの移行が案内されています。
この章を読むと、文字が化ける指示と化けにくい指示の差が分かります。公式ドキュメントは、テキスト入りの画像で明示すべき要素として、書体の雰囲気・入れる文字そのもの・全体のデザイン方針・配色を挙げています。ポイントは書体で、フォント名で指定するのではなく、見た目を言葉で説明するよう勧めている点です。
指示の型は、こうなります。
弱い指示
おしゃれなセール告知バナー、日本語、秋
型に沿った指示
縦長のセール告知バナーを作ってください。上半分に余白を大きく取り、太くて角の丸いサンセリフ体で「秋の内覧会 10月4日(土)」と大きく入れます。その下に細い書体で小さく「予約制・完全無料」。背景は落ち着いた生成り色、文字は濃い茶色。写真は使わず、幾何学的な図形だけで構成してください。
長い、と思うかもしれません。ただ公式は一貫して「具体的な記述ほど制御できる」「キーワードの羅列を避け、説明的な文章にする」という方針を示しています。あと1行足すか、出し直しを3回やるか、という比較です。
日本語については、Gemini 3.x系の画像モデルが最適に動作する言語として ja-JP が明記されています。ここは以前と状況が違うところです。
冒頭の「日付だけ直して」の話です。公式ドキュメントは、マスク画像を用意する代わりに会話でマスクを定義する方法(セマンティックマスキング)を示しています。ポイントは、変えない範囲を明示的に書くこと。ドキュメントの表現でも「それ以外は完全にそのまま」に相当する指定を入れています。
書き直しになりやすい指示
日付を10月5日にして
部分修正として通りやすい指示
この画像を使って、中央下にある日付の文字だけを「10月5日(日)」に変更してください。書体・文字サイズ・色・位置は元のままにします。背景、上部の見出し、余白、その他の要素はすべて完全にそのまま保持してください。
もうひとつ効くのが、多ターンでの編集です。ドキュメントは previous_interaction_id を使って会話を継続する形を推奨しています。毎回ゼロから指示を書き直すより、同じ流れの中で「もう少し明るく」「ロゴを右下へ」と積み上げるほうが、前提が保たれます。
なお、Firebase側のドキュメントにはマスク画像を使った編集はサポートされない旨が示されています。Photoshopの選択範囲のような厳密な指定はできない、と考えておくのが安全です。それと、画像が生成されずテキストだけ返ってくることがあるとも明記されています。バッチ処理を組むなら、この分岐のハンドリングは最初から入れておいたほうがいいです。
ここが、機能紹介ではあまり書かれない部分です。
透かし。 見えない SynthID は、生成・編集されたすべての画像に埋め込まれると公表されています。加えて、Nano Banana Pro については、無料および Google AI Pro 階層のユーザーが生成した画像には目に見える Gemini のスパークルを残し、Google AI Ultra 契約者と Google AI Studio では可視の透かしを外す、と説明されています。「Geminiアプリで作った画像をそのまま納品したら見慣れないマークが入っていた」は、ここが原因になります。
規約。 Gemini API の追加利用規約では、生成物についてGoogleは所有権を主張しないと明記されています。同時に、同一または類似のコンテンツが他のユーザーにも生成され得ることを利用者が了承する形になっており、生成物の利用責任は利用者側にあります。ロゴやシンボルマークのように「他と被らないこと」が価値の中心にある成果物には、この性質は正面からぶつかります。バナーの背景や挿絵と、ロゴは分けて考えたほうがいいです。
入力データ。 同じ規約で、無料枠(Unpaid Services)では送信内容と応答が製品改善に利用され、人がレビューする場合があるとされ、機密情報や個人情報を送らないよう明記されています。有料利用ではプロンプトと応答を製品改善に使わないとされています。クライアントの未公開素材を無料枠に投げるのは、ここに引っかかります。
API経由の画像生成モデルには無料枠がありません。試すだけなら Gemini アプリや AI Studio から触れますが、コードから叩くなら請求先の設定が要ります。
| 用途 | モデル | 解像度 | 1枚 | 20枚 |
|---|---|---|---|---|
| 納品用の版下 | Pro | 1K/2K | 約20円 | 約400円 |
| 納品用の大判 | Pro | 4K | 約36円 | 約720円 |
| 案出し | Nano Banana 2 | 1K | 約10円 | 約200円 |
| サムネ量産 | Lite | 1K | 約5円 | 約100円 |
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※公表価格を1ドル150円で換算した概算。バッチ処理を使うと概ね半額になります。
時間に置き換えると分かりやすいです。バナー1本の文字修正を手作業で15分やるなら、案出し20枚で200円は、15分を1回節約できれば十分に釣り合います。逆に、月に数枚しか作らないなら、API連携を組む工数のほうが高くつきます。Geminiアプリで完結させるほうが早いです。
レート制限は、無料枠・Tier 1〜3 の階層制で、階層は課金実績で自動的に上がります(Tier 2は累計100ドル+初回支払いから3日、Tier 3は累計1,000ドル+30日)。モデル別の具体的な上限値は AI Studio の画面で確認する形になっています。日次で数千枚回すバッチを組むなら、この階層は先に見ておいてください。
Q. 日本語の文字入れは実用になりますか。
公式ドキュメントは、Gemini 3.x系の画像モデルが最適に動作する言語として ja-JP を挙げています。ただし「化けない」と保証されているわけではありません。文字量が多い版下ほど、生成後に必ず目視で1文字ずつ確認する工程を入れてください。
Q. Geminiアプリだけで仕事に使えますか。 可視の透かしの扱いが契約プランで変わるので、納品物に使うならそこを先に確認してください。Proモデルは Google AI Pro / Plus / Ultra 向けとされています。
Q. 生成した画像をクライアントに納品していいですか。 Googleは生成物の所有権を主張しないとしていますが、類似コンテンツが他者にも生成され得る点と、利用責任が自分側にある点は規約に明記されています。ロゴなど独自性が要件になるものは避け、使う場合は生成AIを使った旨をクライアントと合意しておくのが無難です。
Q. Photoshopのマスクのように範囲を指定できますか。 マスク画像を使った編集はサポートされていません。文章で対象を特定し、「それ以外は完全にそのまま」と書く形になります。ピクセル単位の精度が要る修正は、生成後に画像編集ソフトでやったほうが早いです。
次にやることを1つだけ挙げるなら、手元にある過去のバナー1枚で「文字だけ差し替え」の指示を書いてみることです。保持範囲を書いた場合と書かない場合を並べると、この記事の話は10分で腑に落ちます。