ツール一覧 / AI活用ノート / プロンプトの役割と条件で出力はどう変わる?Claudeで4通り比べた
「あなたは〇〇のプロです」は本当に効くのか。美容室トップページの紹介文を、一行だけ・役割つき・条件つき・例文つきの4通りでClaudeに頼み、文字数や禁止語を実測しました。失敗を直した完成プロンプトとチェック用スクリプトも載せています。
結論: 「あなたは〇〇のプロです」の1行より、素材と出力の形を書く方がずっと効きました。紹介文をAIに頼むなら、この3つから始めてください。
- まずお店(商品)の情報を箇条書きで貼る
- 「本文だけ。見出し・解説・複数案は書かない」と書いて、出力の形を決める
- 店名や文字数の下限など、入れてほしいことは「入れて」と名指しで書く
美容室のトップページに載せる紹介文を、Claudeに4通りの頼み方で書かせてみました。一行だけで頼むと、762字が返ってきました。見出しが4つ付き、【店名】の穴埋めまであって、そのままでは貼れません。
役割を足したら961字に増えました。お店の情報と条件を足して、ようやく123字の本文1段落だけになりました。
使ったプロンプトの原文と、詰まった所をそのまま共有します。

前の段にプロンプトを足していく形で4通り作り、返ってきた文をスクリプトで数えました。
| 足したもの | プロンプトの長さ | |
|---|---|---|
| ① | 一行の依頼だけ | 34字 |
| ② | ①+役割(Webコピーライター歴10年以上) | 74字 |
| ③ | ②+お店の情報・文字数・読む人・禁止表現・出力形式 | 413字 |
| ④ | ③+文体の見本(別のお店の例文) | 563字 |
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claude -p --model sonnet)
長くなりました。役割で増えたのは字数と穴埋めの数で、使える文にはなりませんでした。
①のプロンプトはこれだけです。
美容室のホームページのトップページに載せる紹介文を書いてください。
返事の冒頭は「店名やお客様層が未指定なので、汎用的に使える形で書きました。【 】の部分を実際の情報に差し替えてください。」でした。
②は①の上に1行足しただけです。
あなたは美容室のホームページを10年以上手がけてきたWebコピーライターです。
美容室のホームページのトップページに載せる紹介文を書いてください。
ボタン文言や「ライターからひとこと」まで付き、【】の穴埋めは3か所から6か所に増えました。「こだわり」も3回出ています。
お店の情報が無いまま、プロらしく振る舞うほど「ひな形」が手厚くなる。そんな動きでした。
「ロール指定なしの出力は、施策自体は実用的ですが、背景となる思考や仮説構築のプロセスが省略されやすく、表層的に見える側面があります。」 — noteのブログ記事(2025年6月)
役割で厚みが出て助かるのは、分析や企画のように考え方を見せたい依頼だと思います。短い紹介文を1本だけ欲しいなら、その厚みはそのまま「削る手間」になりました。
効いたのは「お店の情報」と「本文だけ」の2つ。③で初めて、本文1段落・禁止語ゼロ・指定の字数内になりました。
| 文字数 | 本文以外(見出し・解説) | 【】の穴埋め | 禁止語 | 店名 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ① 一行 | 762字 | あり | 3か所 | 0(「こだわっています」は1回) | なし |
| ② 役割 | 961字 | あり | 6か所 | 「こだわり」3回 | なし |
| ③ 条件 | 123字 | なし | 0 | 0 | なし |
| ④ 例文 | 117字 | なし | 0 | 0 | なし |
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③で②に足したのは次の部分です。4通りの中で、ここがいちばん大きく変わりました。
# お店の情報(ここに書いていないことは書かない)
- 店名: hair atelier niwa(ヘアアトリエ ニワ)
- 場所: 福岡市中央区、地下鉄赤坂駅から徒歩3分
- 席数: 3席。スタイリスト1人が最初から最後まで担当する
- 得意: 白髪をなじませるカラー、髪のダメージを抑えるカラー
- 営業: 10時〜19時、火曜定休、完全予約制
# 条件
- 文字数: 120〜150字(句読点を含む)
- 読む人: 30〜40代の働く女性。白髪が気になりはじめ、美容室で長く待たされるのが苦手
- 禁止する表現: 「最高」「No.1」「絶対」「癒しの空間」「こだわり」、ビックリマーク(!)
- 出力: 紹介文の本文だけ。見出し・前置き・解説・候補の複数案は書かない
それでも、まだ直したい所が3つ残りました。

「状況や背景、目的などを丁寧に記述すれば、ロールなしでも十分高品質な出力が得られる場合も多いです。」 — noteのブログ記事(2025年6月)
「登場人物が男一人、女二人でその3人が三角関係になる物語を作って」と言えば、少なくとも指示した内容を含んだものが出来上がります。 — Yahoo!知恵袋の回答(2025年1月)
真似されました。「語り口だけ参考に」と書いても、書き出しの言い回しごと持っていかれます。
④で足した見本はこれです。
# 文体の見本(別のお店の例。内容はまねせず、語り口と長さだけ参考にする)
仕事帰りに寄れる、駅から2分の小さなネイルサロンです。席は2つだけなので、隣を気にせず過ごせます。爪が薄い方には、削らないジェルをおすすめしています。予約は前日まで。「今日はここまで」と決めた時間で、きちんと仕上げます。

「内容はまねせず」と書いても、言い回しは別もの扱いのようです。公式ドキュメントは、例を形式やトーンを誘導する確実な方法の一つとしています。効きが強いぶん、真似してほしくない部分は名指しで止める必要がありました。
「〜未満は不可」「店名を1回入れる」「この言い回しは使わない」と名指しで書いたら、④のつまずき4つが2回とも消えました。
| ④のつまずき | ⑤で足した・変えた行 | ⑤の結果(2回) |
|---|---|---|
| 117字で下限割れ | 120字未満は不可。書き終えたら数えて、足りなければ足す | 145字・147字 |
| 店名が入らない | 店名「hair atelier niwa」を本文に1回入れる | 2回とも入った |
| 情報を並べただけ | 書き出しは、読む人の悩み(白髪・待ち時間)に寄り添う一文にする | 2回とも悩みから書き出した |
| 見本の流用 | 見本の言い回し(「仕事帰りに寄れる」など)や内容は使わない | 流用0・カットの付け足し0 |
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1回目に返ってきた文です。
白髪が気になるのに、美容室で長く待つのは避けたい。hair atelier niwaは、赤坂駅から徒歩3分の3席だけの小さな店です。最初から最後まで同じスタイリストが担当し、白髪をなじませるカラーと、髪へのダメージを抑えるカラーを得意としています。完全予約制、10時〜19時、火曜定休です。

スマホ幅では③④とほぼ同じ6行前後です。行数は同じでも、書き出しが読む人の悩みになっただけで、ファーストビューの印象はかなり変わりました。
ひとつだけ漏れがあります。2回目で営業時間「10時〜19時」が抜けました。必ず入れたいなら「営業時間を必ず入れる」と足すことになります(足した版はまだ試していません)。
出ません。1回うまくいっても完成とは決められないので、最低2回は出して比べてください。
| 回 | 文字数 | 店名 | 読む人の悩みに触れたか | お店の情報に無い「カット」 |
|---|---|---|---|---|
| ③ 1回目 | 123字 | なし | 触れた(待ち時間) | 出た |
| ③ 2回目 | 126字 | なし | 触れた(待ち時間) | 出た |
| ④ 1回目 | 117字 | なし | 触れた(待ち時間) | 出た |
| ④ 2回目 | 124字 | なし | 触れない | 出ない |
| ⑤ 1回目 | 145字 | あり | 書き出しで触れた | 出ない |
| ⑤ 2回目 | 147字 | あり | 書き出しで触れた | 出ない |
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④の2回目は字数こそ守りましたが、待ち時間の話がまるごと消えて情報の羅列になりました。
地味に効いてくるのがカットの件です。「書いていないことは書かない」と頼んでも、③④の4回中3回で足されました。納品前に、AIの文と元の情報を1行ずつ照らし合わせる作業は省けません。
「コツは必要な指示は細かく記述することらしいです。曖昧な指示だとAIが自己判断して生成するからです。」 — みんカラのブログ(2025年4月)
書いてもいいが、主役ではありません。役割は口調や視点を、条件は中身と形を決めます。今回の結果も公式の説明も、この向きでそろっていました。
| 出典 | 役割についての言い方 |
|---|---|
| Anthropic 公式ドキュメント | 役割を設定すると振る舞いとトーンが用途に絞られる。"Even a single sentence makes a difference" |
| Anthropic 公式ブログ(2025年11月10日) | "heavy-handed role prompting is often unnecessary"。どんな視点が欲しいかを明示する方が効く |
| 論文(EMNLP 2024 Findings) | 162の役割・2,410問の事実問題で、役割を足しても正答率は上がらなかった |
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同じドキュメントは、Claudeを「優秀だが、あなたのやり方の文脈を知らない新入社員」と考えるよう書いています。役割を与えても、新入社員は店名を知りません。今回の①②はまさにその状態でした。
個人的には、役割の1行は消さずに残していて、⑤にも入れたままです。ただ手間あたりの差で比べると、「役割」より「素材」と「出力の形」の方がはるかに大きいと感じました。
下の型を自分の案件に差し替えれば、今日中に同じ比較ができます。
完成版⑤の全文です。「お店の情報」と「読む人」を、自分の案件に差し替えて使ってください。
あなたは美容室のホームページを10年以上手がけてきたWebコピーライターです。
美容室のホームページのトップページに載せる紹介文を書いてください。
# お店の情報(ここに書いていないことは書かない)
- 店名: hair atelier niwa(ヘアアトリエ ニワ)
- 場所: 福岡市中央区、地下鉄赤坂駅から徒歩3分
- 席数: 3席。スタイリスト1人が最初から最後まで担当する
- 得意: 白髪をなじませるカラー、髪のダメージを抑えるカラー
- 営業: 10時〜19時、火曜定休、完全予約制
# 条件
- 文字数: 120〜150字(句読点を含む)。120字未満は不可。書き終えたら数えて、足りなければ足す
- 店名「hair atelier niwa」を本文に1回入れる
- 読む人: 30〜40代の働く女性。白髪が気になりはじめ、美容室で長く待たされるのが苦手
- 書き出しは、読む人の悩み(白髪・待ち時間)に寄り添う一文にする。情報の箇条書きのような並べ方にしない
- 禁止する表現: 「最高」「No.1」「絶対」「癒しの空間」「こだわり」、ビックリマーク(!)
- 出力: 紹介文の本文だけ。見出し・前置き・解説・候補の複数案・文字数の報告は書かない
# 文体の見本(別のお店の例。語り口と長さだけ参考にする。見本の言い回し(「仕事帰りに寄れる」など)や内容は使わない)
仕事帰りに寄れる、駅から2分の小さなネイルサロンです。席は2つだけなので、隣を気にせず過ごせます。爪が薄い方には、削らないジェルをおすすめしています。予約は前日まで。「今日はここまで」と決めた時間で、きちんと仕上げます。
字数と禁止語は、目で数えると見落とします。次のスクリプトを check.cjs で保存し、node check.cjs output-5.txt で動かしました。
// 使い方: node check.js output-3.txt output-4.txt ...
const fs = require('fs');
const banned = ['最高','No.1','絶対','癒しの空間','こだわり','!','!'];
for (const f of process.argv.slice(2)) {
const raw = fs.readFileSync(f, 'utf8').trim();
const noNl = raw.replace(/\s/g, '');
const hits = banned.map(w => [w, raw.split(w).length - 1]).filter(([, n]) => n > 0);
console.log(`${f}: 全体 ${[...raw].length}字 / 改行・空白除く ${[...noNl].length}字 / 行数 ${raw.split('\n').length}` +
` / 禁止語: ${hits.length ? hits.map(([w, n]) => w + '×' + n).join(', ') : 'なし'}` +
` / 店名niwa: ${/niwa|ニワ/.test(raw) ? 'あり' : 'なし'} / 【】: ${(raw.match(/【/g) || []).length}個`);
}
ここで一度詰まりました。親フォルダの package.json が "type": "module"(ファイルを新しい形式で読む設定)だったため、拡張子が .js だと require is not defined で止まります。.cjs に変えたら動きました。
毎回同じ条件を書くのが面倒なら、Claudeの設定に入れておけます。
広告コピーとして使う場合、業種によっては効果を言い切る表現に規制があります。AIが出した案は、最後に人の目で確かめてから出してください。
この記事は、Webサイトの動く部品集 AETHER Motion の制作チームが書いています。